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「枯葉(Autumn Leaves)」は、ジャズ・スタンダードの中でも定番中の定番曲で、セッションでもよく演奏されます。
本記事では、作成した譜面の全音符解説をしていきます。
今回のベースラインは、
ゴースト・ノートやハイフレット使用といった
あまり難しいことをしないシンプルな四分音符で、
かつ、開放弦から123フレット以内で作成
という、シンプルで初心者の方でも弾きやすいラインというコンセプトで作成致しました。
Aセクションから、1音符づつ解説していきます。
ぜひ、譜面をダウンロードして一緒に見ていきましょう(^^)
※コード進行は、ジャズ・スタンダード・バイブル(黒本)をほぼ参照しておりますが、アプローチに合わせて若干変化を加えている箇所もあります。
Aセクション(1回目、8小節)
Aセクション(2回目、8小節)
Bセクション(8小節)
Cセクション(8小節)
という構成になります。
まずは、Aセクション(1−8小節目)から使用音の解説を行っていきます。
■1小節目■
1音目 C(Cm7のルート音)
2音目 D(Cm7の2度)
3音目 E♭(Cm7の短3度)
4音目 E(次の小節の第一音目、Fに向かう半音経過音)
という流れで組み立てました。
4音目、Eの音は、Cm7の構成音ではありません。コードがマイナーコードなので、△3rdにあたるEの音を出すとメジャーな響きになってしまいますが、
次の小節の第一音目、F音に向かう流れを滑らかにする半音経過音として、”橋渡し”的な仕事をしています。
こうした経過音が、ジャズっぽさのひとつでもありながらも、構成音じゃない音使いという一種の矛盾が、「ジャズベースってかっこいいけど何したらいいかわからない」といった、
ベーシストを悩ませる1種の要因であると考えます。
ただ、半音経過音はウォーキングベースでは必ず使用するアプローチです。ぜひ、意識的に使用できるようにすることを勧めます。
既に一般公開している動画ではありますが、以下の動画では半音経過音の使い方についてのより詳しい解説をしています。重ねてご参照下さい。
【100%使います】ウォーキングベースやるなら絶っっっ対!知っておきたい半音経過音
https://www.youtube.com/watch?v=dlFfdPBICts
■2小節目■
F7のコード進行上で
1音目 F(F7のルート音)
2音目 E♭(F7の短7度)
3音目 D(F7の6度)
4音目 C(F7の5度)
という流れで組み立てました。
ルート→短7度→6度→5度というウォーキングベースライン。
このように度数が順番に並んだラインは弾き心地もよく、聴き手にも流れが滑らかな印象を与えます。
■3小節目■
B♭△7のコード進行上で
1音目 B♭(B♭△7のルート音)
2音目 D(B♭△7の長3度)
3音目 F(B♭△7の5度)
4音目 E(次の小節の第一音目、E♭に向かう半音経過音)
という流れです。
ここでも4音目に半音経過音を使用しています。原理は1−2小節目の流れと同じです。
■4小節目■
E♭△7のコード進行上で
1音目 E♭(E♭△7のルート音)
2音目 D(E♭△7の長7度)
3音目 C(E♭△7の長6度)
4音目 B♭(E♭△7の5度)
という流れです。
ここも、ルート→7→6→5とこのように度数が順番に並んだライン。やはり弾き心地もよく、聴き手にも流れが滑らかな印象を与えます。
■5小節目■
Am7♭5のコード進行上で
1音目 A(Am7♭5のルート音)
2音目 B♭(Am7♭5の短2度)
3音目 C(Am7♭5の短3度)
4音目 E♭(Am7♭5の減5度)
という流れです。
Am7♭5はエーマイナーセブンスフラットファイブと読みます。
「5度をフラットさせる」という意味の記号なので、Aの5度、Eの音でなく減5度(♭5th)のE♭の音を使っています。ここは間違えやすいですからしっかり覚えておきましょう。
■6小節目■
D7のコード進行上で
1音目 D(D7のルート音)
2音目 C(D7の短7度)
3音目 B♭(D7の短6度)
4音目 F♯(D7の長3度)
という流れです。
■7小節目■
Gmのコード進行上で
1音目 G(Gmのルート音)
2音目 B♭(Gmの短3度)
3音目 D(Gmの5度)
4音目 F(Gmの短7度)
■8小節目■
Gmのコード進行上で
1音目 G(Gmのルート音)
2音目 F(Gmの短7度)
3音目 D(Gmの5度)
4音目 B♭(Gmの短3度)
という流れです。
尚、ここまで使用したポジションは、すべて開放弦から3フレット以内のフレット使用で組み立てました。
4ビートのウォーキングベースは、4分音符1押弦ごとに使う音が変わることが多いので、なるべくポジション移動が少ないように心がけています。
演奏動画を見ていただくとおわかりいただけると思いますが、以下のように、
開放を使用
左人差し指は1フレで固定
中指は2フレで固定
小指は3フレで固定
という形で、ポジション移動していないです。こうした、移動の少なさがスムーズなベースラインの演奏、構築にとても重要です。
続いて、Aセクション(9−16小節目)の解説になりますが、こちらの8小節は、前半のAセクション(1−8小節目)のベースラインと完全に同じ音使いで構築しました。
その為、細かな構築の仕組みについては省かせていただきます。
それで、よくご質問をいただく内容として、今回のAセクション2周分のように、
「ベースラインを何回も同じようなパターンで弾いて問題ないのか」
といったご質問をいただくことがありますが、
はじめのうちはこうしたアプローチでも全く問題ないと思います。
むしろ、初心者のうちに、無理やり毎回異なるパターンでベースラインを動かそうとしてしまうと、アプローチが間に合わなくなってしまい、タイムにピッキングが遅れるなど、リズムのズレに繋がってしまうことがあります。
本電子書籍の趣旨は、
コードを見てパッとラインが組み立てるのが難しいという方に向け、とりあえず書いてあるものをまんま弾けるようにし、「ウォーキングベースラインてこんな感じなのか〜」と感覚を養っていただくことを趣旨としております。
なので、コードを見てアプローチの自由度が増すまでは、アプローチはワンパターンであることを気にするよりは、
単調であれワンパターンであれ、しっかり一定のリズムを刻み、他の演奏者がプレイしやすいベースラインを奏でてあげることを心掛けてあげるといいと思います。
Bセクション(17-24小節目)を解説していきます。
■1-2小節目■
Am7(♭5)のコード進行上で
1音目 A(Am7(♭5)のルート音)
2音目 B♭(Am7(♭5)の2度)
3音目 C(Am7(♭5)の短3度)
4音目 E♭(Am7(♭5)の減5度)
D7のコード進行上で
1音目 D(D7のルート音)
2音目 C(D7の短7度)
3音目 B♭(D7の短6度)
4音目 F♯(D7の3度)
という流れで、Bセクションはじめの2小節は、Aセクション5〜6小節目と同じ動きにしました。
先述したように、
こうした同じようなコード進行が続いたとき、いろいろなベースラインの動きのパターンを使えたらかっこいいですが、
すぐにそうした対応ができない方は、前の小節で使ったパターンを使い回していくというベースラインの構築のやり方でも問題ないです。まずは繰り返し弾いて、スイングのリズムやジャズのアンサンブルに慣れましょう。
■3-4小節目■
Gmが2小節続くコード進行です。
こうした、同じコードが2小節続くベースラインでどういった対応をしていいかわからない
というご質問は多いです。
ここでは、2小節にわたって続くGmのコードを「ひとまとまり」と考えます。
Gmのコード進行上で
1音目 G(Gmのルート音)
2 音目 G(Gmのルート音)
3 音目 A(Gmの2度)
4 音目 A(Gmの2度)
5 音目 B♭(Gmの短3度)
6 音目 B♭(Gmの短3度)
7 音目 B(次の小節の第一音目、Cへの半音経過音)
8 音目 B(次の小節の第一音目、Cへの半音経過音)
といった流れで半音経過音が2つ続きますが、徐々にルートから半音づつ音程を上げながら上昇しているラインで、弾きやすさもあり、違和感は感じないと思います。
それで、この時、Bセクションの8小節目の第一音目でルート音弾いていません。
で、この時のイメージですが、Bセクション3小節目のGmのルート音Gから、5小節目のCm7のルート音、Cを見て、GからCまで滑らかに繋げてあげているイメージです。
■5-8小節目■
ここの4小節は、Aセクション1−4小節目のベースラインと全く同じ音使いで作成しました。
5小節目
Cm7のコード進行上で
1音目 C(Cm7のルート音)
2音目 D(Cm7の2度)
3音目 E♭(Cm7の短3度)
4音目 E(次の小節の第一音目、Fに向かう半音経過音)
6小節目
F7のコード進行上で
1音目 F(F7のルート音)
2音目 E♭(F7の短7度)
3音目 D(F7の長6度)
4音目 C(F7の5度)
7小節目
B♭△7のコード進行上で
1音目 B♭△7(B♭△7のルート音)
2音目 D(B♭△7の3度)
3音目 F(B♭△7の5度)
4音目 E(次の小節第一音目の音、E♭に向かう半音経過音)
E♭△7のコード進行上で
1音目 E♭(E♭△7のルート音)
2音目 D(E♭△7の長7度)
3音目 C(E♭△7の長6度)
4音目 B♭(E♭△7の5度)
という流れになります。
Cセクション(25-32小節目)を解説していきます。
■1- 2小節目■
Am7(♭5)のコードに対し
1音目 A(Am7♭5のルート音)
2音目 B♭(Am7♭5の2度)
3音目 C(Am7♭5の短3度)
4音目 E♭(Am7♭5の減5度)
D7のコードに対し
1音目 D(D7のルート音)
2音目 C(D7の短7度)
3音目 B♭(D7の短6度)
4音目 F♯(D7の長3度)
Aセクション5−6小節目で作成したベースラインをそのままこちらでも使用しました。
■3−4小節目■
Gm7 G♭7 F m7 E7
と進行してます。
こんなふうに、ひとつの小節内にコードがふたつある場合、アプローチをどうすればいいですか?
といったご質問をよくいただきます。
それで、ここはあえていろいろ動かずに、全部ルートで進行してます。
もちろんいろいろ動くこともできるのですが、
この楽曲は、全体的に同じようなコード進行がずっと続いている楽曲なので、「ロスト」といって、今自分が演奏している中でコードのどこにいるか見失ってしまうこともあります。
そんなとき、あえて動かずに、ここの半音感をアピールすることで、周りも、「ああ今Cセクションなのか」って気づきやすいんです。
絶対にウォーキングベースはいろいろ動かなきゃいけないということはありません。ルートだけだとダサいってことはなくて、こうしたアプローチのやり方も方法のひとつです。
5・6小節目
Am7(♭5)のコード進行上で
1音目 A(Am7(♭5)のルート音)
2音目 B♭(Am7(♭5)の2度)
3音目 C(Am7(♭5)の短3度)
4音目 E♭(Am7(♭5)の減5度)
D7のコード進行上で
1音目 D(D7のルート音)
2音目 C(D7の短7度)
3音目 B♭(D7の短6度)
4音目 F♯(D7の3度)
という流れで、Aセクション5〜6小節目と同じ動きにしました。
ジャズ・スタンダード・バイブル(黒本)では、5小節目のコードはイE♭7となっていますが、今回はAm7(♭5)のコード進行に置き換えました。
■7−8小節目■
Gmのコードに対し
1音目 G(Gmのルート音)
2音目 G(Gmのルート音・オクターブ上)
3音目 F(Gmの短7度)
4音目 E♭(Gmの短6度)
Gmのコードに対し
1音目 D(Gmの5度)
2音目 C(Gmの4度)
3音目 B♭(Gmの短3度)
4音目 B(はじめのAセクションCm7のルート音、Cに戻る半音経過音)
となっています。
ここまでが、今回作成した譜面の全音符解説になります。
また、既に公開中のブログ記事ではありますが、こうした予め書き起こされた譜面でなく、コードを見て即興で枯葉を演奏できるようにするための練習方法をブログと動画で解説しています。
こちらも重ねてご参照頂ければ幸いです。
即興でウォーキングベースラインを弾けるようになるベースラインの組み立て方(枯葉編)
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